ロックガーデンをつくって最初の梅雨に植物が枯れてしまった、という話をよく聞きます。原因のほとんどは、石の下の排水設計にあります。表面の石組みがどれだけ美しくても、地面の下に水が溜まれば、乾燥耐性植物でも根腐れします。この記事では、Xeric Stone Coveが7年間の施工で積み上げてきた排水設計の考え方をお伝えします。
なぜ排水層が必要なのか ¶
多肉植物やサボテンが嫌うのは「乾燥」ではなく「根が常に湿っている状態」です。自然界の岩場では、雨が降っても水はすぐに岩の隙間を流れ落ちます。庭でその状態を再現するには、石の下に水が素早く抜ける層を意図的につくる必要があります。粘土質の土の上に直接石を置いても、雨のたびに石の根元に水が溜まります。
軽石層の厚さと粒径の選び方 ¶
当工房では、排水層に粒径5〜20mmの軽石と粗砂利のブレンドを使っています。厚さは最低10cm、傾斜のある場所では15cmを標準としています。2019年以前は5cmで施工していましたが、梅雨の雨量が多い年に問題が出たため、現在の基準に変更しました。粒径が細かすぎると目詰まりしやすく、粗すぎると植物の根が安定しません。5〜20mmの混合が、排水性と根の安定のバランスがよいと感じています。
傾斜と雨水の流れを読む ¶
施工前に必ず行うのが、雨水の流れの確認です。庭に水をバケツ1杯分まいて、どこに流れるかを観察します。水が集まる場所(低点)には、排水層を厚めに設計するか、植物を置かないようにします。傾斜が1〜2度あれば、水は自然に流れます。完全に平らな庭では、排水層の下に砂利の排水溝を設けることもあります。
DIYでできる簡易排水設計 ¶
プロに頼まなくても、小スペースのロックガーデンなら自分で排水設計できます。まず既存の土を20cm掘り、底に防草シートを敷きます。その上に軽石・粗砂利のブレンドを10cm入れ、その上に粒径の細かい砂利と少量の培養土を混ぜた層を5cm入れます。最後に石を置き、植物を植えます。この3層構造で、梅雨の雨量にも対応できる排水性が確保できます。
梅雨前に確認すべきこと ¶
毎年5月末から6月初旬に、施工済みの庭を点検することをお勧めします。石の根元に苔が異常に多い場所、土が常に湿っている場所は、排水が不十分なサインです。早めに軽石を追加したり、石の配置を少し変えて水の流れを変えることで、梅雨の被害を防げます。当工房では施工後1年間の無料点検でこの確認を行っています。
排水設計は地味ですが、ロックガーデンの寿命を決める最も重要な要素です。表面の美しさと同じくらい、地面の下に気を配ってください。具体的な設計についてはよくある質問もご参照ください。