「モルタルを使わないと崩れるのでは」という質問をよく受けます。適切に設計された空積みは、モルタル固定よりも長持ちする場合があります。石の重さと重心を計算して組む空積みは、地震の揺れに追従し、地盤の沈下にも対応できます。この記事では、空積みの基本原理と、DIYで挑戦する際の注意点をお伝えします。

空積みとモルタル積みの違い

モルタル積みは石をセメントで固定するため、短期的には安定しますが、地盤が動いたときにひび割れが生じます。一度ひびが入ると、そこから水が浸入して劣化が進みます。空積みは石同士の摩擦と重力だけで安定を保つため、地盤が少し動いても石が追従します。伝統的な石垣や棚田の石積みが何百年も残っているのは、この柔軟性があるからです。

石の選び方:形と重さ

空積みに適した石は、平らな面が2つ以上ある石です。丸い川石は接触面積が小さく、空積みには向きません。重さは1段あたり5〜20kgが扱いやすいサイズです。石の形を見て「どこが下になるか」を判断し、重心が内側(庭側)に来るように置くことが基本です。石の前面が少し下がるように(後ろ勾配をつけて)置くと、安定性が増します。

基礎の重要性

空積みが崩れる原因の多くは、基礎の不安定さです。最下段の石は、地面を5〜10cm掘り下げて埋め込みます。その下に砂利を5cm敷いて水平を確認してから置きます。最下段が安定していれば、その上の石は比較的積みやすくなります。傾斜地では、最下段の石を特に大きく重いものにすることが重要です。

DIYで挑戦する際の現実的なアドバイス

初めて空積みに挑戦する方には、高さ30cm以下の低い石組みから始めることをお勧めします。高さが増すほど、石の重心管理が難しくなります。また、石を積む前に必ず「仮置き」をして、全体のバランスを確認してください。一度積んでしまうと、下の石を動かすのは大変です。焦らず、石を置くたびに前後左右から確認する習慣をつけてください。

空積みは習得に時間がかかりますが、一度コツをつかむと庭づくりの楽しさが広がります。施工のご相談はこちらから、または工房からのノートで施工事例もご覧いただけます。